甲府家庭裁判所 昭和41年(少ハ)4号 決定 1966年11月08日
本人 I・T(昭二一・九・二八生)
主文
少年を決定の日から、昭和四一年一一月三〇日まで継続して収容する。
理由
少年は、昭和四〇年三月二五日印旛少年院を仮退院したがその後の観察効果があがらず、同年九月一一日戻し収容となつて久里浜少年院に収容され当初は態度の安定を欠き二回に亘る事故を犯し、在院期間の満了する昭和四一年九月二七日当時は未だ成績不良で退院に適せず、後半期に入つてから安定をとり戻し良好の状態を続け、特に自動車の運転免許を取得してからは勤労意欲もでて生活態度に安定度を加えていることが認められる。
他面家庭は極めて問題があつたが父親は一年位前から○○○○市内の土建会社○村工業へ土工として就職して、母親も現在、○○○○市役所の塵焼却人夫として働いており家庭としての形態も次第に整いつつある。
少年の退院後は、父親と同じ職場で共に働くことのできるよう雇主の了解も得て、少年を迎える父母の配慮には向上のみるべきものがあり少年もまた、退院後は父と共に働くつもりであるがなお少年の心構えの安定確実を促す必要ありと認められるので少年院法第一一条、少年審判規則第五五条によつて主文のとおり決定する。
(裁判官 降矢艮)